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「忍たま乱太郎」の乱太郎・きり丸・しんべえが召喚される話。 ルイズと忍たま-1 ルイズと忍たま-2 ルイズと忍たま-3 ルイズと忍たま-4 ルイズと忍たま-5
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平賀才人 「ゼロの使い魔」の主人公。CVは日野聡。 【本編での動向】 アーチャーに襲われるが、ハクオロの援護を受け撃退。 その後、朝倉涼子と遭遇。 アーチャーとの戦闘を目撃された事から不信感を抱かれていることを知り、何とか信頼を得ようと奮闘する。 しかしそれが裏目に出て、情報改変で強化された木の枝で左目を突き刺される。 続けてチャンバラ刀で右腕を切断され、最期は朝倉の翻弄によりハクオロの手によって刺殺された。 さらにチャンバラ刀で首をはねられ、その首は朝倉の荷物に。罠として使用される予定だった。 しかし状況は一変。所持者朝倉が桜田ジュンとの一戦で気絶。 その間に、首は桜田ジュンの手によって海に。 海でぷかぷか一夜を明かした後、幸か不幸か自らの身体のあった海岸へと戻る。 そこを主であるルイズに発見される。 身体こそ彼女の手によって埋葬されたが、左手首と首は未だルイズが持ち歩いている。 キスされたり、話しかけられたりと死後の方が何故か本編でも目立つ稀な例とも言える。 支給品はチャンバラ刀+専用の糊@ドラえもん、アヴァロン@Fate stay/night 名前 コメント キャプテンさえいなけりゃ活躍出来たキャラ -- 名無しさん (2011-12-20 09 37 20)
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「ゼロが、一発で・・・」 「嘘、何で・・・」 ルイズが使い魔を簡単に召喚できたのがまるで奇跡としかいいようがないような感じで他の貴族たちは彼女を見つめるのであった。召喚されたのは、丸っこく青い体に、白く美しい腹部、耳、しっぽを持った愛らしい小さな生物だった。 「きゃっ、何これ?かわいーい!」 その生物を抱き上げるルイズであったが、彼女はその期待をぼろぼろにされるのだった。 「い、息してない・・・」 もしかしたらぬいぐるみなのかもと、口の中を覗きこんでみたが、そこにはリアルな舌や歯があった。正真証明の生物だ。死体だが。 「呼んでも役に立たんとは・・これぞゼロクオリティwww」 「ルイズにゼッロゼロにされちゃった」 そのころ、この生物がいた世界、渓谷の宿場からテーブルマウンテンに続く道をいく一人の冒険者がいた。その名も、人呼んで、風来のシレン! 「なるほど、この杖は吹き飛ばしか。これならマムルなんて簡単に倒せ・・・ってちっがーう!何だよあの鏡!マムルぶつけたらヒュッと吸いこまれちまったぞ!罠か!?一種の罠なのか!? 落ち着け、こういうときは、風来の書、950条、罠について。何々、罠は利用できるものです。その効果をよく考えましょう。分からなかったときは、逃げろ!?つっても、このでけー鏡が道ふさいじまってるんだよー!かくなるうえは、この鏡を持っていく!」 マムルを吸い込んだ謎の鏡、これは一体何なのか!?危険なのは承知のうえ。しかし、この鏡がダンジョン攻略に役立つと、俺は信じる!!! 轟々と水が流れる山間渓流。ここは谷に釣り橋がかけてあるだけの危険な場所だ。そこに、あの男がいた。風来のシレン!ボウヤーの打つ矢もなんのこれしき!全部鏡が吸い込んでくれるのだ! そのころルイズはというと・・・ 「痛ーい・・・何で矢なんて飛んでくるのよ!」 生物すら召喚できないルイズ。しかし、そのような物はまだまだ序の口。次に来るものに比べたらずっと・・・次に来たのは鎧のような物を見に付けた骸骨。 「また、死体かよ・・・」 「ネタの使いまわしすんなよ~」 その骸骨はよろよろと動き出す。 「あれ、動けるの?せ、成功!?」 しかし様子がおかしい。骸骨はルイズなど見向きもせず、キュルケの使い魔、サラマンダーのフレイムにゆっくりゆっくり近づいていった。頭からフレイムに吸い込まれるようにして消えていった。 「なんだったのよあれ・・・」 思わず涙ぐむルイズだったが、落ち込んでいるのもつかの間。フレイムは骸骨を吸い込んだ途端に狂ったように暴れだした。体も変色している。 「な、何!?フレイム、落ち着きなさい!」 主人のキュルケも同様を隠せない。 フレイムが元に戻ったときは、すでに一面焼けの原だった。他のみんなは被害にあいたくないといわんばかりにルイズから離れていった。結局そばにいるのは教師のコルベールだけであった。 次に召喚されたのは、泥のような生物だった。その生物と契約しようとキスをしようと思ったその瞬間、腐った液体をかけられてしまった。 もう契約なんてどうでもいい、この生物を殺す!お得意の爆発魔法でこっぱみじんにしてしまう。 今度は謎の布をかぶった緑色のトドが召喚された。そのトドは、あろうことかルイズの杖を布を使い奪っていった。 「そんな・・・杖がないと・・・」 いきなりたくさんの生物がわらわらと現れた。 「何で?!杖もないし呪文も唱えてないのに!」 その頃のシレンは、 「モンスターハウス?子供騙しだね!単に雑魚が集まっただけ!こんなやつら、この最強の鏡の敵ではないわ!」 マスターチキンもミノタウロスも、エーテルデビルでさえただただ鏡にに吸い込まれるだけ!誰か、この鏡男を止める奴はおらんのか! しかしルイズは・・・ 杖無し、呪文なしで現れた、鶏やら、牛やら、見えない何かやらにフルボッコにされる始末。ついに彼女は死んでしまった。 …と思ったら、 「・・・ここは?私の部屋・・・?」 彼女は自分の部屋のベッドで横になっていた。 「あーなんていやな夢なのかしら。現実はこうはいかないわ。エーと、杖杖」 ない。どこを探しても見つからない。彼女は探すのをあきらめコルベールに謝ろうと魔法学院の廊下をとぼとぼと歩いていた。しかし、杖はすぐ見つかった。廊下に落ちていたのだった。 なぜ廊下に落ちているのか分からぬまま、彼女は使い魔を召喚する。召喚されたのは巨大な虫の怪物だった。糸で絡められ、ルイズは洞窟の中に閉じ込められ、ついに彼女は死んでしまった。 …と思ったら、 「・・・ここは?私の部屋・・・?」 彼女は自分の部屋のベッドで横になっていた・・・の、繰り返し。 魔蝕虫もかたなしっ!byシレン
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トレーディングカードゲーム「Magic the Gathering(マジック・ザ・ギャザリング)」のウルザを召喚 一章「ワールド・シフト」 マジシャン ザ ルイズ 一話「ワールド・シフト」 マジシャン ザ ルイズ 二話「分析+葛藤」 マジシャン ザ ルイズ 三話「錬金術の教示」 マジシャン ザ ルイズ 四話「狂熱の伝染」 マジシャン ザ ルイズ 五話「灰毛の誓い」 マジシャン ザ ルイズ 六話「ハルケギニアの意志ある武具デルフリンガー」 マジシャン ザ ルイズ 七話「破壊」 マジシャン ザ ルイズ 八話「虚無の目覚め」 マジシャン ザ ルイズ 九話「無謀なる特攻」 マジシャン ザ ルイズ 十話「土くれのゴーレム」 マジシャン ザ ルイズ 十一話「力の解放」 マジシャン ザ ルイズ 十二話「上天の月光」 二章「ルイズ ザ サーガ」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (1)「堅牢なる監獄チェルノボーグ」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (2)「ウルザの怒り」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (3)「水のルビー」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (4)「霊的直感」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (5)「海無き港町ラ・ロシェール」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (6) 「行き過ぎた模擬戦」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (7)「天才の霊感」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (8)「空賊船」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (9)「罪の自覚」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (10)「超肉弾戦」 三章「ブロージット」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (1)「死者再生」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (2)「心の傷」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (3)「始祖の祈祷書」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (4)「聖なる教示」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (5)「あなたもわたしも」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (6)「決死の一撃」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (7)「王の遺言」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (8)「轟くときの声」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (9)「イゼット・エンジン」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (10)「滅び」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (11)「帰還」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (12)「復讐の連鎖」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (13)「術師の幻視」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (14)「飛翔艦ウェザーライトⅡ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (15)「速やかなる反撃」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (16)「空中戦闘」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (17)「船酔い」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (18)「操舵」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (19)「白炎の紅蓮傭兵魔術師メンヌヴィル」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (20)「プレインズウォーカーの狂気」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (21)「爆発」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (22)「ウルザの時計」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (23)「トリステインのアカデミー」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (24)「女王の召集」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (25)「正気か否か」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (26)「ゲット・ア・チャンス」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (27)「円卓」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (28)「モット伯爵の好意」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (29)「トリステインの女王アンリエッタ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (30)「凍える月」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (31)「病蝕」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (32)「名誉の道行き」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (33)「隠れたる死霊」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (34)「ガリアの地下牢」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (35)「風破」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)「転機」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (37)「ガリアの女王イザベラ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (38)「女王の粛正」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (39)「病魔の進行」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (40)「悲哀の歌」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (41)「摩耗したパワーストーン」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (42)「ザルファーの青」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (43)「激突の報奨」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (44)「壮麗な宮殿」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (45)「口論」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (46)「破滅的な過ち」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (47)「マナ接続」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (48)「戦いの火」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (49)「意志力」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (50)「炎首のハイドラ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (51)「冥界の門」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (52)「ウルザの意思」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (53)「ウルザの砲台」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (54)「虚空の大穴」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (55)「英雄的な行為」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (56)「運命の交差」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (57)「シュペー卿の剣」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (58)「うつろう虚無魔導師」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (59)「炎蛇の教示者」 説明 ファイレクシアの闘技場で首切られた直後のウルザをサモン。 お話の背景にあるのはMagic the Gatheringのエキスパンション。 「アンティキティー」「ウェザーライト」 「テンペスト・ブロック」 「ウルザ・ブロック」 「マスクス・ブロック」 「インベイジョン・ブロック」 「時のらせん・ブロック」 基本的に次元の混乱だと思ってくらさい。 外見は http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Exodus name=Mind_Over_Matter ver=1 http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Planeshift name=Urza s_Guilt ver=1 http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Apocalypse name=Death_Grasp ver=1 Magic the Gathering関係用語の解説
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「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ! 我が導きに、答えなさいっ!!」 数十回の使い魔召喚に失敗し、ヤケッパチ気味にルイズが叫ぶ。 その、ある意味高望み過ぎる内容に周囲の同級生は「おいおい」と思ったとか思わなかったとか。 だが、神か仏かブリミルにか、彼女の願いは聞き届けられたのだった。 宇宙の果てのどこかにいる神聖で美しく強力な「なにか」の前に、召喚のゲートは開いたのである。 ★★★★ 異次元空間に浮かぶ壮麗にして典雅なる白亜の城の、丹精に手入れされた中庭。 そこで『世界の守護者』アンゼロットは日課である午後の紅茶の時間を楽しんでいた。 見た目は12歳程度の美少女に見える。 黒いドレスに映えるどこまでも白い肌。月光を束ねて銀糸にしたかのような流れる髪。 同じく銀色の瞳が、世界の行く末を思ってか儚く潤んでいた。 ふうっ―――と小さくため息をつけば、少女の手の中でユラユラと揺れるダージリンティーの水面。 お茶請けは配下のロンギヌス特別茶菓子班が泣きながら焼いたお煎餅。 紅茶にセンベイ合わすなよというツッコミも涼しげに無視して、外見銀髪少女の大年増は優雅にセンベイ食う。 バリンバリンバリバリバリバリバリリッ――ふう、やはり紅茶のお供はノリ煎餅ですわね――ってなカンジで優雅に。 そんな彼女の前に、突然銀色の円盤が現われた。 ここは腐っても、精鋭部隊ロンギヌスが守る正義の砦アンゼロット宮殿。 シナリオの都合でさえなければ簡単に危険な異物や敵の侵入を許す場所では無いのに、その円盤は平然と宮殿の主である少女の側に浮かんでいた。 レベル∞を誇る世界の守護者アンゼロットは、それが使い魔召喚のための次元ポートである事を瞬時に見抜く。 そして煎餅のカケラほども躊躇も見せず、その中にレースで飾られた黒いドレスに包まれた腕を突っ込んだ。グイっと。 「んー、このへんでしょうかねぇー……っと、コレですわ!」 中でグリグリ手を動かして、ズバッと一本釣りで引き抜いたのはピンクの髪の少女。 いきなり空中に現われた腕に襟首を掴まれて見知らぬ場所に釣れて来られた少女は、驚愕と不安であたりをキョロキョロ見回している。 「なななななななに? なんなのよここ? いったい突然何がおこったのよ!?」 「はーい、落ち着いて下さいルイズさん。私は『世界の守護者』アンゼロット。 今から私がするお願いに、ハイかイエスでお返事して下さいね?」 「へっ?」 「ハルケギニアは世界の敵に狙われています。貴女にはこれから、その敵を倒すために戦ってもらわなければいけません」 「ええっ!?」 「とは言え、今のルイズさんのレベルでは少々心もとないので―――」 今度は何も無い空間にズボッと手を突っ込むアンゼロット。 しばらくグリグリして「えいっ」と引き抜けば制服姿の少年が投げ出され、アンゼロットとルイズの頭上を跳び越し、頭から地面に落とされた。 「ってえなぁ! イキナリ授業中になにしやがんだこのクソ年増!」 ヤバい角度で地面に突っ込んだ男の様子に(なんだか知らないけど生きてるのかしらこの人?)と心配するルイズの前で、 素早く立ち直ってアンゼロットに詰め寄るのは柊蓮司。 一見普通の不良学生だが、その正体は色々下がる不幸学生だ。 以前、使命だと言われて学年が2年生から1年生に下がるという理不尽も体験した事がある。 「まぁまぁ落ち着いて下さい柊さん。まずは紅茶でも飲んでお煎餅でも食べて」 「いやお前煎餅と紅茶の組み合わせはねーだろう普通。まぁもらうけど」 「では紅茶も飲んで落ち着いた所で本題ですが」 「早っ! まだ一口しか飲んでねぇって言うか椅子にも座ってねぇって!」 「使命です。世界の滅びを防ぐために、そこのルイズさんは6レベルまで成長しなければなりません」 柊の剣幕もツッコミも無視して、さっさと使命の説明に入るアンゼロット。馴れた対応だ。 柊の方もそんなアンゼロットには慣れたもので、白いロココ調の上品な椅子をガタガタと引いて、ドカっと行儀悪く座って話を聞く体勢に入った。 「ルイズって言ったか? アンタも座ったらどーだ?」 「えっ、あっ、う……うん」 ちょっと恐い外見の柊に椅子を勧められて、まだ混乱中ながらおずおずと着席するルイズ。 その間にもアンゼロットはマイペースで話を続ける。 「ルイズさんが実戦経験を積み、かつレベルアップしてもらうために柊蓮司さん、 貴方の向かう使命へ彼女を共に連れて行き、そこで一緒に戦ってあげて下さい」 「良いけど、俺とこの子じゃレベルが違いすぎじゃないのか?」 「ご安心を。柊さんが飲んだその紅茶に、ある薬を入れてありますから」 「なっ―――まさか!?」 不吉な言葉に絶句する柊。 以前彼はアンゼロットが紅茶に入れたという薬のせいで、レベルを下げられた事がある。 それなのに同じ手に二度も引っ掛かるあたりが、彼の人の良い所だろう。 「柊さんもルイズさんと同じ1レベルになりましたから、頑張ってレベルアップして下さいね」 にこやかに手を振るアンゼロットの笑顔にヤバイと感じて立ち上がろうとする柊だったが、もう遅い。 突然椅子の下に、底も見えない黒い穴が現われる。 柊と、そしてルイズはそのまま侵魔――エミュレイター――と呼ばれる『世界の敵』が跋扈する戦場へと、次元を超えて落下させられた。 「いってらっしゃーい柊さーん♪」 「コノヤロウ覚えてやがれーっ!!」 「きゃー! なんなのよ、なんだっていうのよー!?」 「ちなみに柊さんが私の事を年増呼ばわりしたので敵のレベルはちょっぴり高めでーす♪」 「うわーっ! しっかり恨んでやがったかー!?」 「はわわわーっ!?」 ドップラー効果と共に遠くなって消える二人の声ってゆーか悲鳴。 何度となく世界を救ったウィザード、下がる男・柊蓮司。 彼は一部事情通の間では『アンゼロットのオモチャ』とも呼ばれているのだった。 ★★★★ その日、ゴーレムが学院を襲っていた。 宝物庫まある階に巨大な拳を打ち込むゴーレムは、30メイルはあろうかという巨大な物だ。 「待ちなさい!」 「……なんだい、アンタは?」 誰もが恐れて逃げ出す巨大ゴーレムの前に立ち塞がったのは、ルイズ・フランソワーズ。 3週間ほど前に行方不明になり、先週突如ボロボロの姿で学院に帰ってきた少女だった。 「魔法も使えないメイジが何の用だい? 世をはかなんでアタシのゴーレムに潰されたいってんなら相談に乗ってやるよ?」 「やれるモンならやってみなさいよ、土くれのフーケ」 「ふん、じゃあお望み通りにしてやるさ!」 ゴーレムの拳がルイズを押し潰した―――かに見えた。 だがルイズは平然とその場に立ったままだ。 彼女の手前数センチで止まった巨大な鋼鉄の拳。当然、それはフーケが止めたのではない。 ルイズの周囲に展開された結界・月衣<カグヤ>。 それは世界そのものが持つ法則を無視して、持ち主を一切の物理法則から守る極小の異世界だ。 「わ、私のゴーレムの拳を防いだ!?」 「……魔法の使えないメイジじゃ、ないわよ」 「なんだって?」 「メイジじゃないって言ったのよ!」 月衣の中から背丈ほどもある長剣を引き抜き、構えるルイズ。 それは≪魔剣使い≫である彼女の力、近接戦用対魔法箒・デルフリンガー。 「……って、俺っち箒扱いかよウイザードの嬢ちゃんよぉ」 「私はウィザード! エミュレイターと戦う、夜闇の魔法使い・ナイトウィザードよ!」 ウィザード業界では、魔力を受けて機動する道具は剣でも銃でも盾でも、果ては宇宙船でも箒なのだからしょうがない。 デルフのぼやきは無視して、ルイズは声高々と宣言した。 ≪魔器開放≫によって真の力を解放したデルフリンガーが輝く。 魔法構造を崩壊させる≪魔力吸収≫の特殊能力が、刃に触れたものから尽く魔力を奪おうと唸りをあげた。 ≪封印されし力≫を解放したルイズの≪虚無の属性≫魔法がその刃に吸収される。 あふれ出るプラーナの力が大地を削って噴き上がり、周囲を黄金の光で照らす。 「ば、ばかな!? なんだいこの力……こんな魔法、わたしは知らない!?」 「受けてみなさい! これが私の召喚した使い魔、世界の守護者から無理矢理与えられた力よ!」 一閃。 ただの一撃で右脇腹から左の肩まで一直線に切り裂かれ、その傷口からボロボロと崩壊してゆくフーケのゴーレム。 自身を構成するための魔力を根こそぎ奪われた結果だった。 「って、召喚してないってゆーかアンタ自分が向こうに召喚されたんじゃんかー!」 「うるさいうるさいうるさーい! エクスプロージョン!」 瞬間、ゴーレムの巨体が大爆発をおこす。 吹き飛ばされたフーケは「あ~れ~」と塀の向こうまで飛ばされていった。 かくしてフーケのたくらみは未然に防がれ、学院の平和はウィザード・ルイズの活躍によって守られた。 「盗賊退治お疲れ様ですルイズさん。ところでまたハルケギニアを揺るがす大事件が」 「ちょ、アンゼロット!? 私は今戦い終わって余韻に浸ってる最中で―――!」 「諦めた方が良いと思うぜ嬢ちゃん。どうせ最後には働かされるんだから」 空間からにょろりと突き出た腕に掴まれて拉致されるルイズとデルフリンガー。 明日はガリアかアルビオンか。アンゼロットにコキ使われるルイズに休息の日は無い。 頑張れルイズ。負けるなルイズ。 いつかハルケギニアを狙う魔王(推定)を倒して、アンゼロットから開放されるその日まで!
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「ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 小説最終巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! アニメも原作も完結して良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ! 新作フィギュアが制作決定されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!! ぐあああああああああああ!!!フィギュアなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら… ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!! この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる? 表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!! アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!! あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!! ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!」 その頃、唐突にルイズが過去回想で死んだのを見たルイズコピペは怒っていた。 【二日目・16時35分/日本:愛知県】 【ルイズコピペ@2ch(今は5ch)】 【状態】ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! 【装備】不明 【道具】不明 【思考】 基本:ルイズを殺したカオスロワを滅ぼす。 1:ルイズの新作フィギュアを買う。 【ルイーズ@遊戯王】 【状態】健康 【装備】剣と盾 【道具】支給品 【思考】 1:うるせえなこいつ。
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『ユーディーのアトリエ~グラムナートの錬金術師』 から二十歳の頃のヘルミーナを召喚 公式HP ヘルミーナとルイズ1 ヘルミーナとルイズ2-1 ヘルミーナとルイズ2-2 ヘルミーナとルイズ3
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前ページ次ページヘルミーナとルイズ 思い出すのは水のせせらぎ、草の臭い、頬を撫でる風の冷たさ、彼女の笑顔。 そのすべてが遠く、遠い。 何もかもが懐かしい。 彼女と過ごした時間が、今の彼を突き動かすすべて。 ルイズは、泣いてくれるかな? サイトは力を振り絞ってデルフリンガーを振るう。 一振り二振り、三度振ったところでたたらを踏んだ。 サイトはこんなにもデルフリンガーが重いということを初めて知った。 あいつ、あれで泣き虫だからな。 段々足に力が入らなくなってきた。 槍で突かれた左腕の傷口からは血が溢れている。そこから命が漏れていくような感覚に怖気が走る。 それでも止まらない、止まったらもう二度と動けない。 それに寂しがり屋だし。 着地ざま、剣を力任せ横なぎに払った。 手に伝わる肉と骨を断った、確かな手応え。 周囲に味方なんて誰もいない、適当でも振り回せば誰かに当たる。 いっぱい悲しんで、いっぱい泣いてくれるかな? 大群の前にたった一人で現れた少年剣士は既に満身創痍。 けれど、彼は今この場にいる誰よりも必死に生き足掻いていた。 すべては彼女のために。 結局あんな別れになったけど、俺、お前のこと、好きだったんだぜ。 包囲していた兵士たちが一斉に槍を突き出した。 再び跳躍、敵のいない方へと渾身の力を込めた一飛び。 直後、サイトの耳に届く空を裂く無数の音。 生意気で、我が儘で、短気。でも、そんなところも好きだったよ。 見上げれば空を黒く染める矢の嵐。 サイトは足が地面についた瞬間、足腰すべてのバネを使ってその場から飛び退いた。 そのはずみで、体の中からぶちぶちと何かがちぎれる音がした。 ごめんな。 かわしきれなかった矢が右の腿と背中に刺さった。 転がりながら足の矢だけ引き抜く、背中の矢は転がった際に半ばから折れていた。 既にサイトの体は血で汚れていない場所など一カ所もない。 本当にごめんな。 真っ赤に染まった少年剣士。 生きているのが不思議なほどの傷を負ってなお、剣を握り、離さない。 なぜそのような姿になってまで戦うのか、この場にいる誰もが理解できないでいた。 お前一人残してごめんな。 衝撃。 爆音と吹き上がる炎、かつてテレビの向こう側で見た爆撃のようなそれがサイトを襲う。 ある意味それは正しい。サイトの周囲に向かって、無差別に火玉の魔法が何十とうち込まれているのだ。 お前は泣き虫だから、きっと泣くと思う。 吹き飛ばされる。 投げ出されて、仰向けに倒れるサイト。 それでも起き上がろうともがくが、一度止まってしまった体は、糸が切れた人形のように動かなかった。 でも、いっぱい泣いて、いっぱい悲しんだら…… 何もかもなげうって、少しでも長く生きるためにサイトは懸命に戦った。 一分一秒一瞬でも長く、ルイズのことを考えるために。そうすることだけが、自分の気持ちを証明する唯一の方法だと信じて。 だが、それも終わる。 俺のこと、忘れてくれ。 涙が止まらない、止められない。 もう体は動かない。 握りしめていたはずのデルフリンガーは、既になかった。 全部忘れて……幸せになってくれ。 遠巻きに包囲した兵士たちが、一斉に弓をつがえ、大砲を向け、杖を構えた。 標的は、たった一人のちっぽけな少年。 「ルイズ、ごめんな」 流星のように降り注ぐ死を眺めながら呟いたそれが、サイトの最後の言葉となった。 ルイズはネグリジェ姿のまま、ベットに腰掛けている。 神聖アルビオン共和国の降伏から既に三週間が経過し、トリステインにも平和な日々が戻り始めていた。 出征していた男子生徒たちも皆学院へと帰還し、授業も平常通りのものへ戻った。 窓の外からは光が差し込み時刻は昼過ぎを知らせていた。 寮で生活していた女性生徒たちの殆どは、今は授業を受けるために本塔へと出払っている。 そんな中部屋に残ったルイズの姿は、痛々しいという他なかった。 目は落ちくぼみ、唇は乾いている。 痩せてはいたが、健康的でしなやかであった体は、今や憔悴しやつれ果てている。 視線は虚空を泳ぎ定まっていない。手には以前にサイトへプレゼントしたセーターと、赤い布きれ。 確かに男子生徒たちは戻ってきた。 戦場で生き残り、ギーシュのように勲章を貰ったものもいる。 けれど、その中にサイトの姿はなかった。 代わりに彼女の手元に戻ってきたのは、どす黒く血に染まったパーカーの切れ端とデルフリンガー。 そして、サイトが死んだということを示す紙切れ一枚。 「ルイズ! ちびルイズ! 返事をなさい!」 「ルイズ! お願いだからご飯だけはちゃんと食べて!」 扉の向こう側から響く、二人の姉の声も今のルイズには届かない。 あの日、あのときから、彼女たちの言葉は届かなくなった。 「どういうこと!? 何であんただけなのよ!? サイトは……サイトは一体どうしたのよ!?」 「落ち着けよ、娘っ子……」 「そうよ、落ち着きなさい。あなたが大声をあげても彼は帰ってこないわ」 ルイズの部屋の中、かつてサイトが寝起きしていた藁の上にはデルフリンガーが置かれている。 そしてルイズの横には二人の姉の片割れ、エレオノールの姿があった。 「サイトは……サイトは生きているんでしょう!? 答えて! 答えてよ!?」 目に涙を浮かべ、手には血染めの切れ端を握りしめたルイズが叫ぶ。 最初に届けられたのは手紙だった。 その中にはヴァリエール家が使い魔の三女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔が死んだことと、その死を悼む内容が記されており、血染めのパーカーが同封されていたのであった。 この際半狂乱に取り乱したルイズに対して、学院は実家への連絡という手段をとった。 そうして呼び寄せられたのがエレオノールとカトレアの二人の姉であった。 最初はルイズを叱咤してルイズを立ち直らせようとしたエレオノールであったが、サイトを呼びながら泣き叫ぶルイズに折れ、最終的には公爵家の力を使って、サイトの消息についての調査を行った。 そうした調査の末、戦場で収集された武器の中に、一振りのインテリジェンスソードがあり、それが盛んに「ルイズ」「サイト」と叫んでいると分かったのである。 エレオノールは直ぐさまその武具を取り寄せる手続きを行って、その甲斐あってデルフリンガーは再びルイズの部屋への帰還を果たしたのであった。 「サイトは……サイトは無事なの?」 縋るような目つきのルイズ。 「相棒は……」 デルフリンガーは言い辛いことを伝えるときの人間のように一度言葉を区切り、やがて決心したように続けた。 「相棒は、死んだよ」 「嘘よっ!」 間髪入れずに叫んだルイズの言葉。まるでその言葉が予め分かっていたような速やかな反応。 「本当だ。相棒は、もうこの世に生きちゃいない。相棒は、最後の最後で俺を手放しちまったのさ……あの中を、ガンダールヴ無しで生き残るは不可能だ」 「それでも……、それでも!」 ゆっくり、崩れるようにして床へ腰を下ろすルイズに、デルフリンガーもエレオノールも、かける言葉が見つからなかった。 デルフリンガーだけが、最後の希望だったのだ。 「生きてるって言って……お願い……」 すすり泣くルイズに、デルフリンガーは「すまねぇ」と小さく返すしかできなかった。 希望が砕かれたとき、人は惑う。そうしたときに、一人で立ち直れるものは強いものだけだ。 だから、長女として、人生の先輩として、エレオノールはルイズに手を貸そうとした。 彼女なりのやり方でルイズの立ち直りを手助けしようとした。 「いつまでそうしているつもり、泣き虫ルイズ!」 「……」 「お父様が止めるのを聞かずに、戦地になんて行くから、使い魔を死なせる羽目になったのよ」 「……」 姉として、妹を心配していた。 だから、結局のところ、エレオノールが次に発した言葉は、彼女の優しさからであったのだが。 「毅然となさい! あんな使い魔が死んだくらいで……」 その一言で、ルイズの中にある、何かが砕けた。 「使い魔くらい……」 どうってこと、と続けようとしたところで、エレオノールが凍りつく。 泣きはらした目で顔を見上げたルイズのそこからは一切の表情が抜け落ちていた。ただその目が、まるでガラス玉のように無機質で、エレオノールはこれまでの人生で一度も妹のそんな姿は見たことがなかった。 その唇が、小さく震えた。 妹が何かを言おうとしていることを気取ったエレオノールは、焦点の定まらないルイズの瞳を真っ直ぐに見返し挑発した。 「はん、何か言いたいみたいね、言ってごらんなさいよ」 再び、ルイズの口が小さく動いた。 「何を言っているのか、全然聞こえないわ。ほら、ちゃんと口に出してごらんなさい」 「おい止めろ姉っ子! そいつは逆効果だ!」 ルイズの異変に気づいたデルフリンガーが大声で静止するが、何もかもが遅過ぎた。 「黙れ」 「……え?」 無表情な顔をした妹が紡いだ言葉の意味が理解できずに、エレオノールは漏らすようにして聞き返した。 一方、ルイズは自分が見上げているものがなんだか分からなかった。 ひび割れたモノクロのステンドグラスのような形をした何か、それが先ほどから耳障りな雑音をまき散らしている。 その音を聞いているだけでひどく頭が痛くなる。 まるで頭の内側から大きなハンマーで、力一杯ガンガンと殴られているようだ。 だから言ってやったのだ、思ったままを。感じたことをそのままに。 「うるさい うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 その日以来、姉たちの言葉はルイズに届かなくなった。 そして姉以外の者たちの言葉も届かない。 今や、彼女たちはルイズにとって『理解できない何か』になってしまったのだ。 彼女たちが、ルイズの心が分からなかったように、ルイズにも彼女たちが分からなくなってしまっていた。 時折部屋の外で発せられる、『何か』が発する雑音。 ルイズはそれが響く度に手編みのセーターと血染めの切れ端を強く握りしめる。 母の庇護を求める赤子のように、それだけが彼女を守ってくれると信じて。 「サイト、助けてサイト。怖いよ、怖いのがくるよ……」 大切な想いを抱きしめたまま、ルイズはベットに倒れこむ。そして子供のように丸くなって泣いた。 部屋の外、エレオノールとカトレアの二人は揃ってため息をついた。 「ごめんなさい、エレオノール姉さま。私が至らないばっかりに……」 そう言って両手で顔を覆って泣き出すカトレアを、エレオノールは抱きしめ慰めた。 「いいのよ、あなたのせいじゃないわ。あなたはあのとき体調を崩していたんだもの、仕方がないわ」 泣きじゃくる妹っ子のカトレアをあやすエレオノールの顔色も曇っている。 「おい姉っ子、あんまし自分を責めるんじゃねぇぞ。お前さんはお前さんなりに精一杯やったんだろ」 壁際に立てかけられたデルフリンガーの言葉にも、エレオノールの顔は晴れない。 「いいえ、何もかも、私の責任だわ」 「……反省と自分を責めることは似て非なるもんなんだぜ」 分かってはいても、返す言葉もない。 しばらくするとカトレアも泣き止み、表面上は平素通りの様子に戻った。 「ちょっとは食べてるみたいだけど、こんな状態じゃ放っておくわけにはいかないわね」 足下にあるトレイには干からびたパンと、冷たくなったスープがのせられている。 そのパンには小さくちぎった跡が残されていたが、とても健康を保つのに必要な量とは言えそうになかった。 「この扉を破ってでも屋敷に連れ帰るしかないわね。屋敷なら目も行き届くし、何より……この部屋に残すのは良くないわ」 使い魔の少年との思い出がある、という言葉を飲み込んだエレオノールは、いつにもまして辛そうな表情をしていた。 「……可哀想だけど、私もそれが正しいと思うわ」 ルイズの心が壊れてしまった翌日、カトレアもまた彼女の狂乱ぶりを目の当たりにした。 ルイズを可愛がっていた分だけ、彼女の受けた心の衝撃は言葉にできないほどであった。 だが、それと同様かそれ以上に、カトレアはエレオノールのことも心配していた。 ルイズの心を決壊させた原因が自分であると、人一番責任感の強いエレオノールは自分を責め続けているに違いない。 カトレアは愛する妹、そして姉までが苦しんでいるのに、何もすることができないという自分の無力さを強く呪った。 「それで?それはいつやるつもりなんだい?」 カトレアの苦悩を余所にデルフリンガーがエレオノールに問いかけた。 あるいは、エレオノールの注意を自分に向けるためだったかもしれない。 「早い方がいいわね。明日か、明後日にでも」 「……エレオノール姉さま、ルイズは……あの子は、お屋敷に帰ったらどうなるんですか?」 痛いところを突かれたという表情を一瞬見せたが、すぐに眼鏡を直すふりをして手で顔を隠してしまうエレオノール。 それだけで、カトレアには今後ルイズがどういった状態に置かれるかが分かってしまった。 「屋敷で軟禁、でしょうね。外を歩けるようになるのは、だいぶ先のことになると思うわ」 冷たい口ぶりでそう答えるエレオノール。 けれどカトレアには分かっている、その真なる暖かさを。 だからいっそうの切なさを感じるのだ。それが追いつめられたルイズの心に届かなかったという、お互いのすれ違いに。 深夜。 気がつくと、ルイズは階段を上っていた。 素足で堅い石段を踏んでいるはずなのに、どういうわけか足下はふわふわとして、まるで雲の上を歩いているようだった。 心地よい浮遊感に身を任せ、どんどんと階段を上っていく。 理由は分からないけれど、一番てっぺんまで辿り着けば、そこにサイトがいる気がした。 「サイト……待っててね、すぐに、すぐに会いに行くから……」 頭がぼうっとする、まるで霞がかかったように上手く考えが纏まらない。 本来結びつくはずの事実と意味が組み合わさらない、そうしているうちにどちらも泡が弾けるようにして溶けて消えてしまう。 自分が何をしているのか、どうなってしまうのかが考えられない。 でもいい、もうどうだっていい、なんだか疲れてしまった。 ただ、楽になりたかった。 階段は唐突に終わりを告げた。 屋上、冬の空気が鼻孔から入って肺を満たした。 普段なら頭がすっきりするようなそれを受けても、熱に浮かされたようなルイズの足取りは止まらない。 そうして、ルイズは終着へと辿り着いた。 屋上の円周を囲む石塀、そこが行き止まり、そこから先に道はない。 でも、その先にサイトがいるような気がした。 ルイズは胸ほどの高さがある石塀をよじ登り、その上に立って地面を見下ろした。 闇が支配する時間、黒に塗りつぶされた世界、どこまでも続いていそうな、そんな光景が目の前に広がっていた。 サイトのそばに行くための一歩。ルイズがそれを踏み出そうとしたとき、雲間から双月の片割れが顔を出し、眼下の一部を淡く照らし出した。 それは、ルイズとサイトが出会った、あの春の召喚の儀式が執り行われた一角であった。 無表情なルイズの目から、一筋の滴がこぼれ落ちる。 すべてはあの場所から始まった。 馬鹿で、スケベで、浮気者で、お調子者で、ちっとも乙女心が分かっていないサイト。 でも、勇敢で、優しくて、いつも守ってくれた、そして何より、私を好きって言ってくれたサイト。 「我が名は」 自然と、口をついで言葉が出た。 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 それは始まりの呪文。 「五つの力を司るペンタゴン」 あの素晴らしい日々の、幕開けを告げた呪文。 「我が運命に従いし」 だからもう一度唱えよう。 「使い魔を召喚せよ」 何もかもを、やり直すために。 光。 背後から自分を放たれる光に気づき、ゆっくりと首をそちらに向けるルイズ。 そこには白く光る鏡のような形をしたゲートが出現していた。 ルイズはゲートが現れた方を、身じろぎせずに、ただ無感動に見つめていた。 そうだ、サイトはゲートの向こうになんていない、いるのは…… 自然と体が正面を向いた。 早く会いたい、サイトに会いたい。 そう思い、再び歩を進ませようとしたところで、声をかけられた。 「あら飛び降り? いきなり目の前で人に死なれるってのいうのも、ちょっと新鮮ね」 聞き覚えのない、女性の声。聞こえた方向、先ほどまでゲートがあったそちらに顔を向けた。 そこには先ほどまであった銀色に輝くゲートはなく、代わりに一人の女性が立っていた。 年の頃は二十歳前後。 腰まで届くロングの髪は薄く紫がかった銀髪、月光に照らされた整った顔立ち、そして何より特徴的な左右色違いの瞳、それらが組み合わさって彼女と その周囲に幻想的な美しさを作り出していた。 けれど可愛らしいかと言われれば否、全体的に紺で纏められている服装は、どちらかといえば妖艶な雰囲気を醸し出している。 妖精というよりは、淫魔サキュバスといった方がこの場合は正しいだろう。 ゲートが閉じて、現れた女。 つまりは彼女が、サイトの『代わり』ということだ。 ルイズが平静の状態であったならば、彼女が現れた意味を悟り、また泣き叫んでいたことだろう。 けれど、今の彼女にそれすらも理解することができない。 ぼうっとした眼差しで女を見つめるルイズ。 対する女もルイズの感情の宿らぬ瞳を見返して、二人はお互いの目を覗き込むこととなった。 ルイズは女の、女はルイズの瞳を覗き込む。 目を見る、ということはその人間の奥底までを見ることに似ている。 人と自分が違うが故に、本来であれば目を見ただけで何かが分かるなどというのはおとぎ話のまやかしだ。 けれど、それが鏡を見るように、同じ瞳に同じ心を持っていたなら? 二人はお互いの内に潜む、深淵を深く覗き合った。 そして直感的に、お互いがよく似たものであると理解する。 それは、同じ何かを持つもの同士のシンパシーだったかもしれない。 「……私の名はヘルミーナ。あなたの名前は?」 女の涼やかな声が聞こえる。 雑音しか聞こえなかったルイズの耳に、久方ぶりの人間の声が届いた。 「ルイズ……ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」 「そう、ルイズっていうの……何をしてるかは、見た通りなんでしょうね」 口元を隠してくすくすと声を漏らす。 「それで、あなたはどこへ行きたいの?」 「サイトの……サイトのところへ行くの」 不思議だった。 ヘルミーナに問われたままを、唇が勝手に動いて答えていた。 彼女の言葉は砂漠のような乾いたルイズの心に、水滴を落とす如くすっと染みこんでくる。 「そう……あなたも大切な人を喪ったのね」 ヘルミーナの口から漏れた『失った』という言葉がルイズの心を締め付けた。 誰の言葉よりも、重くルイズの心に突き刺さった。 すっと、ヘルミーナが石塀の上に立つルイズへと手を伸ばした。 「だったら、取り戻せばいいじゃない」 「……え?」 ヘルミーナの言っていることがルイズには分からなかった。 だが、『何か』が発する雑音のような不快さは全く感じない。むしろ心地よい不可解さ。 それは人を誘惑する悪魔の声のようだった。 「あなたの手から零れたものを、自分の力で再びその手につかむのよ。私にはその手助けができる」 差し出された手と、ヘルミーナの端正な顔を交互に見つめる。 「そうしてあなたは再び大切なものを取り戻して、心の底からまた笑うの」 冷たく、美しく、微笑むヘルミーナの顔が、月の加減で泣いているようにも見えた。 おずおずと手を伸ばすルイズ、そしてその小さな手をヘルミーナが力強くつかんだ。 泣いた、声を出して泣いた。 恥も外聞もなく、わんわんと泣いた。 ヘルミーナの胸の中、しがみついて、縋り付く。 楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、大切な宝石箱をぶちまけるようにして、心の奥から気泡のように沸き上がってくるそれらを全部ヘルミーナにぶつけた。 ヘルミーナは脆い彼女の背中を抱きしめ、その桃色の髪を優しく撫でていた。 こうしてルイズの幸せな少女時代は、一つの別れと一つ出会いをもって、その終わりを告げた。 前ページ次ページヘルミーナとルイズ
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新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語から聖竜騎士ゼロガンダム ルイズの魔龍伝-01 『ゼロに喚ばれし「ゼロ」』 ルイズの魔龍伝-02 『異世界の夜に』 ルイズの魔龍伝-03 『使い魔ゼロの学園生活』 ルイズの魔龍伝-04 『白昼の決闘!無(ゼロ)の雷』 ルイズの魔龍伝-05 『ルイズとクックベリーパイ』 ルイズの魔龍伝-06 『ブルドンネ街』 ルイズの魔龍伝-07 『意思を持つ剣』 ルイズの魔龍伝-08 『品評会、その裏で』
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虚ムネのルイズ 日が沈み、ろうそくの明かりがほんのりと部屋の一角を照らしている。 俺はルイズの部屋で一人、義手の手入れをしている。頭のタンコブがひりひりする。 ルイズはいま、キュルケの誕生パーティーに招待されて部屋には居ない。 小一時間前、ピンクのドレスでおめかしして部屋を出て行った。 その時、ドキッとしたのを隠そうと「ハッ、馬子にも衣装だな!」と言ってしまったのがタンコブの原因。 まだしばらくは戻ってこないだろうから、退屈しのぎに手入れをしている・・・と、扉をバタン!と乱暴に開けてルイズが戻ってきた。 「あ~、ムカツクムカツクムカツク!!」 肘まである白い手袋を無造作に脱ぎ捨てながら1人荒れている。 「お・・・おい、どうしたんだよ?パーティーで何かあったのか?」 ピタッ、と体と一瞬止め・・・ゆっくりとこちらを振り向く。目が怖い。 そして、ゆっくりとこちらに歩いてくる。 目の前で止まり、うつむき小声でポソリ、と言う。 「あなた、ジンタイレンセイっての研究してるんでしょ?」 「あ・・・あぁ、そうだけど。」 「・・・・・・して。」 「 え?よ、よく聞こえなかったけど」 きっ、と俺の目を見て今度ははっきりと言う。 「私の胸を今すぐジンタイレンセイで大きくしなさい!」 「はぁ?な、なに言ってるんだよ?ちょ、冷静に」 「私は冷静よ!早くしなさい!」 なりふり構わずまくしたてる。 「(う~ん、困ったな。たぶんキュルケになにかからかわれたんだろうけど、そんな事で人体練成なんてやる訳にはいかねーし・・・あ、そうだ!)」 「わかった、ルイズ。じゃあ、今すぐ練成するから、そのまま立ってて」 「え・・・あ、うん・・・」 急にOKして拍子抜けしたのか、おとなしく指示に従ってる。 「よし、じゃあ今からやるから。そのまま目をつむって。」 「このまま?ドレスは・・・」 「ああ、大丈夫大丈夫。心配しないで。さ、始めるよ。」 そして、練成陣をイメージしながらパン!と両手を合わせる。 そして、そのまま両手を前に・・・ルイズの胸をタッチ! 「ふぇ?」 ルイズがパチッと目を開けて呆然と自分の両胸に当てられた手を見ている。 突然の事で思考が止まっているのか。 「エ、エ、エド・・・・あんた、何してるのよ?」 明らかに怒ってるなー。でも、もう練成が完成する。 バチバチバチッ ドレスの胸の部分がどんどん盛り上がっていく。A・・・B・・・C・・・D・・・・・ 「な、なこよこれ?」 「どうだ、完成だ。名付けてDカップドレス!」 そう、巨乳ドレスを練成したんだ。 「何言われたかシラネーけど、人体練成は禁忌。くだらない事には使わないよ」 その時、ドアをコンコン、とノックする音。そのままドアを開けて入ってくる人影。キュルケだ。 「ルイズ、開けるわよ。ごめんね。みんなの前でスリーサイズをバラしちゃって。私の完璧なスタイルを際立たせようと思って、つい口が滑ったのよ。」 あ~、そういう事か。でも、キュルケ、ちょっと顔が赤く高揚してるな。まさか、酔ってるのか? 「あ、謝ったって許さないんだから!それにそれだけじゃない。きょ・・・」 口篭る。 「ん?ああ、【ゼロムネのルイズ】って言ったこと?だってB・Wほとんど同じなんだもん。つい・・・ね。」 うへ~、それは酷いなぁ。 その時、キュルケがルイズの胸に気づく。 「え?ルイズ、その胸・・・何?」 「・・・エドに大きくしてもらったの。」 「ほんとに?ちょっと見せてよ。って、これパッドじゃない。」 胸の谷間から中身を覗き込みながらキュルケは言った。そして、ニヤ~と顔を弛ませて、 「あっははは!サイコーだわ!これが本当の【虚ムネのルイズ】ね!!みんなに教えないと!」 笑いながら部屋を飛び出していった。 しばしの静寂が戻った部屋。後からみんな見にくるんだろーな。ちょっと気の毒。 「エ・ド・ワ~・ド~~~」 ルイズが鞭を取り出す。 ぴしっ!ぴしっ! みんなが来るまで、ルイズの手が休まることは無かった。